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東武東上線「無料特急」廃止へ

 東武鉄道では、2008年6月14日に東京メトロ副都心線との相互直通運転を開始するにあたり、ダイヤ改正を行う。 尚、これは西武鉄道でも同様である。ここでは東武東上線の改正について迫って行こうと思う。
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有料特急「TJライナー」の新設

  既にご存じの方も多いと思うが、東上線では夕ラッシュ時の着席通勤実現のため、有料座席指定特急「TJライナー」を新設する。 着席整理券(ライナー券)を使用し、JRの「中央ライナー」等と同様の運行形態になる。停車駅は(池袋)、ふじみ野、川越、川越市、 坂戸、東松山、森林公園、つきのわ、武蔵嵐山、小川町で、「無料特急」の2005年3月改正以前の停車駅にふじみ野を追加した格好。 着席整理券は300円(税込)で、池袋〜ふじみ野間のみ有効(ふじみ野以北は整理券なしで乗車可能)。使用車両はデュアルシートを 備えた最新鋭の50090系。これに先駆け2008年6月7日、池袋東武百貨店での買物客を対象に「PRE TJライナー」が運転された。

無料特急の廃止、快速急行の新設

  6月改正で「無料特急」は廃止となり、代替種別として「快速急行」が新たに設定される。 当然のことながら、先述の「TJライナー」の様な着席整理券を必要とする列車ではなく、従来の特急同様に乗車できる。 なお、この快速急行には10000系列や50000系を使用した運用の他、「TJライナー」の送り込みの運用があり、50090系に乗ることができる。  停車駅は(池袋)、和光市、志木、川越、川越市、坂戸、東松山、森林公園、つきのわ、武蔵嵐山、小川町で、「無料特急」よりも 若干停車駅が増えるが、「TJライナー」が停車するふじみ野は通過となる。

無料特急を振り返る

 改正に先立ち、土休日ダイヤの最終日となった6月8日、「無料特急」は一足先に幕を下ろした。ここではその「無料特急」について その長い歴史を振り返ってみることにする。尚、資料が少ないため他の方から提供いただいた画像を使用、また東武鉄道公式サイトの ニュースリリース、ウィキペディアを参考にまとめています。ご参照下さい。

 東武東上線「無料特急」は1949年から1962年まで「フライング東上」として運行。1956年までは「有料特急」であった。
当初は5310系特急車での運転であったが1962年、8000系などの通勤車での運転となる。その後1971年、急行の運転開始に伴い 「特急」に格上げとなった。以前は「行楽急行」と称されていたようである。昭和60年代までは前面にヘッドマークを掲出して運転されていた。
1979年改正以前の停車駅は池袋、志木、川越、川越市、坂戸、東松山と東松山、森林公園、小川町で、現行の列車種別と比較すると かなり速達性を持っていた事が実感できる。1998年改正で志木を通過、東松山〜小川町間が各駅停車になり、2005年3月17日改正では 平日の運転が廃止、停車駅に和光市が追加される。そして、2008年6月14日改正を直前に控え、6月8日に全ての運転が終了した。

無料特急に関する思い入れetc.

 ここでは管理人が「東上特急」に関して持っている思い出話等を画像を用いながらまとめて行く。
思い起こせば2002年4月。当時中学一年生だった私は学校行事のサイクリングのため森林公園へ行くことになり、池袋から生まれて 初めて東上線を利用することになる。平日の朝8時、会社に向かう通勤客で混雑する中、「特急小川町行き」が入線。この頃はまだ 多数派だった8000系の未更新車(LED行先表示器)だった。その時まで私が持っていた私鉄に対する「遅い」というイメージを覆すかの ごとく快調に走る。あっという間の50分であった。その次の年2003年にも同じく学校行事のハイキングで特急を利用。この時は 8000系更新車(幕)だったと記憶している。それからというもの、年を重ねるごとに遠くへ足を伸ばすようになり、2005年、2007年と、 東武を利用する機会も段々と増えていき、特急の最終運転日となった2008年6月8日、囁かな目標ではあったが、「特急の全区間乗車」を 達成したのである。しかし、鉄道を利用しない期間が少しでもあるとなかなか辛いものがあり、2007年の暮れに川越の方々(FOLS様、 埼京線もどき様、準急様)と一緒に沿線で撮影をした際、特急=8000系という概念が崩れた。その日の特急は10030系ばかりと、 8000系の更新車(HID)が充当されており、「8000系以外の車両も特急に入っているのか」と実感。如何に利用休止期間が長かったかを感じた。 それからと言うもの、回数は決して多くはないものの、東武とその周辺の鉄道を利用する機会が増え、東上線の沿線(川越市・霞ヶ関間)にも 合わせて3回ほど行っただろうか。先駆者の方から見れば未熟者なのだろうが、自分の中では着々と東上線に対する思い入れが根付いて 来ていると思う。「無料特急」こそ廃止になってしまったが、今後も川越方面など利用する機会はたくさんあるだろう。新たなスター的存在と なるであろう「TJライナー」、「快速急行」そして副都心線も是非多くの方に利用されることを願って止まない。

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